家族信託(民事信託)
万が一への事前準備
親御さんはお元気でしょうか?
最近、物忘れやうっかりが多くなったと感じるようなことはありませんか?
万が一、親御さんが認知症などによって意思能力を失ってしまったり、
病気などで財産の管理、運用が困難になった場合のことをお考えになったことはあるでしょうか?
特に、認知症などはあらゆる法律行為ができなくなってしまいます。
もしもそのような状況になった場合、親御さんの財産は凍結状態になり、
親御さんの介護費用のための預金の解約や不動産の処分などが出来なくなってしまいます。
介護費用などを子供が負担するケースでは、最悪、介護破産にもなりかねません。
■親が高齢で、財産管理に不安を感じる。
■親に不動産収入があり、その管理、運用に不安を感じる。
■親が一人暮らしなので盗難や詐欺被害に遭わないか心配。
■親の老後の生活面や介護などに不安を感じる。
このような時に役に立つのが家族信託です。
家族信託とは
家族信託とは、親御さんの万一に備えて、
①親御さん自身の財産を信頼できる子供などの親族に財産を託す契約を結んで、
②契約した子供などに財産(不動産とか預金とか)を移転させ、
③その移転させた財産の管理・運用を子供に任せ、
必要に応じて親御さんの生活費や介護費用などに充てるものです。
万が一の時に、親御さんに変わって財産の管理や運用をできるようにするというものです。
よくある質問
【家族信託を始める時期はいつですか?】
家族信託を始めるには、財産を託す親御さんと財産の管理などを任される家族との契約をしなければなりません。
したがって、親御さんが認知症などになる前の元気なうちに契約しなければならないのです。
認知症になってしまいますと契約という法律行為ができなくなるからなのです。
【家族信託のメリットって何ですか?】
家族信託は、信託銀行など第三者に託すものと違い、親御さん自身の家族に託すというものです。
そのため、親御さんの考えや気持ちがより伝わりやすい制度です。
元気なうちに財産を家族に託し、元気なうちはご自身で指示すれば良いでしょう。
そして、万が一の時には、託された家族がご自身の意向に沿った財産管理が行えます。
たとえば、親御さんが認知症や病気などによって財産の管理や維持が困難になった場合などに
同居の家族や面倒を見ている親族などに託すことによって、財産管理は元より、面倒を見る家族の
負担を解消する手段としても役立つものです。
また、近年横行しているオレオレ詐欺や悪徳商法から財産を守る効果もあります。
【成年後見制度と何が違うのですか?】
成年後見制度とは、認知症などによって意思能力を失った方などが不利益を被らないようにその方を
援助する人を付ける制度です。
その援助をする人を成年後見人といい、家庭裁判所に申請し、選任してもらうことになります。
家族信託との違いの代表的な点は次の点です。
①成年後見制度は、認知症になってから家庭裁判所の選任によって援助する人を付ける制度です。
元気なうちに援助する人を付ける制度ではありません。
一方、家族信託は元気なうちに契約することなります。
認知症になってからでは法律行為ができませんので家族信託契約をすることはできません。
②成年後見制度では、財産の処分など家庭裁判所の許可が必要です。
一方、家族信託にはそのような制度は全くありません。
③成年後見制度は、年1回、家庭裁判所に財産の状況を報告しなければなりません。
一方、家族信託にはそのような制度は全くありません。
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その他にも
〇信託契約の内容は変更できますか?
〇家族信託のデメリットは何ですか?
〇相続対策になりますか?
〇財産を移転したときに税金は掛かりますか?
などなど様々な質問が寄せられております。
財産の中で不動産は多くの部分を占めているものです。
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